一様ではない様相を呈する 欧州不動産
欧州不動産市場における価格下落圧力は緩和傾向にあります。地域やセクター毎の不動産価格の回復タイミングは、不動産デットのリファイナンス資金ギャップや長期的な成長ドライバーの変動と一致する可能性が高いと思われます。これらの要因がどのように投資機会につながるのか、ベアリングスの不動産チームが議論します。
経済
- ユーロ圏では景気回復の兆しが徐々に見え始めており、2025年には景気回復がさらに加速する可能性が高いと見ています。
- 力強い成長を持続している米国とは異なり、ユーロ圏ではインフレ率が低下し、経済成長は鈍化しています。
- 欧州中央銀行(ECB)の金融政策は米連邦準備制度理事会(FRB)と乖離する可能性があり、現時点ではECBは6月に利下げの可能性を示唆しています。
不動産市場
- 価格下落圧力は緩和傾向にあり、全不動産物件のプライム利回りは安定化の兆しを見せています。
- 不動産投資家の状況は改善傾向にあり、不動産債券スプレッドは290bpsに拡大し、クレジット状況は早期に緩和の兆しを見せています。
- 地域やセクター毎の不動産価格の回復タイミングは、不動産デットのリファイナンス資金ギャップや長期的な成長ドライバーの変動と一致する可能性が高いと思われます。
- オフィス・セクター:個別企業の文化とESGに特に着目することで、「質への逃避」のさらなる進展が促進されます。
- 小売りセクター:小売業者の努力率(店舗売上高に対する店舗賃料の割合で算出)が改善すれば、賃料がさらに上昇する可能性があります。
- 産業セクター:ファンダメンタルズは、パンデミック以前のトレンドへ回帰傾向にあり、ポジティブを維持しています。
- 住宅セクター:高品質かつ中流層向けにより、住宅賃料が価格を上回る時期が持続すると予想されます。