CLO:これまでの実績を裏付ける投資プロセス
CLO市場におけるベアリングスの投資能力及びその歴史について教えてください。
ベアリングスのルーツを振り返ると、当社は早くからCLOに関する事業を展開してきました。当社のCLO関連事業は、1998年にファースト・ユニオンの一部門であるInstitutional Debt Management としてスタートし、レバレッジ及びタームローンBなど、市場における多様な概念に対する投資家の理解を深めるべく、その一翼を担ってきました。2001年に当該事業はデビッド・L・バブソンによって買収され、その後、当社は当該事業を中心として優先担保付ローンの運用を含むハイイールド運用のプラットフォームを拡大しました。これは、当社全体の根幹としてCLO事業が存在してきたことを示しています。CLO市場において長期に亘り活動してきたことから、当社は景気後退及びボラティリティが高まる時期を乗り切った長きに亘る実績を有します。2001年及び2002年のITバブルから2008年及び2009年の世界金融危機、並びにCOVID-19に至るまで、当社は市場の変動性が高まった複数の局面を乗り越えてきました。これは、CLOに関する当社の経験を物語るだけでなく、リサーチ・チームの深度、ファンダメンタルに基づくボトムアップ・アプローチによるクレジット分析の有効性、及び非投資適格市場における当社の歴史を証明するものであると思料されます。
CLOの組成事業とストラクチャード・クレジット・チームが運営するCLOへの投資事業との違いは?
当社のCLO関連事業は、ほぼその設立当初から、アドリエンヌ・バトラー(著者)がポートフォリオ・マネジャーを務めるCLOの組成事業と、ストラクチャード・クレジット・チームが運営するCLOへの投資事業の2事業に分類されています。CLOの組成事業においては、新規にCLOを発行し、長期に亘りパフォーマンスが良好と思料される担保資産(優先担保付ローン)を選別し、高度に分散されたポートフォリオを構築することにより、各CLOの担保資産を運用しています。投資家は主に保険会社、銀行、ヘッジファンド及び大手機関投資家であり、各投資家はそのリスク及びリターンに対する許容度に基づき、当社が組成したCLOのシニア・トランシェからエクイティ・トランシェに至るまで購入します。一方、ストラクチャード・クレジット・チームが運営するCLOへの投資事業は、他のコラテラル・マネジャー(CLOの組成事業を行うマネジャー)が発行したCLOのデット・トランシェまたはエクイティ・トランシェを購入し、その管理を行います。双方の事業を持つことによる利点として、両者が協力し、見識を共有することが可能であることが挙げられます。例えば、ストラクチャード・クレジット・チームは、CLOの組成事業を手掛けるハイイールド・チームから、クレジットに関する見識及び深度のあるクレジット・リサーチのプラットフォームを利用することが可能です。一方、CLOを組成する側にとっては、投資家が足元求めている投資条件を理解する上で重要となる、ストラクチャード・クレジット・チームが有する市場に関する見識を獲得できるのみならず、CLOの売り手及び買い手の双方として定期的に市場においてプレゼンスを示すことによって得られた高い知名度からも恩恵を享受することが可能です。当該共存関係は、20年以上に亘り継続しています。