香港・中国株:今後の上昇の可能性
積極的な金融政策から景気回復まで、明るい兆しが見えてくるにつれ、香港・中国株に対して楽観的な見通しが実現する日も近いと思われます。
第1四半期の中国株式市場に対する投資家の信頼感は、ポジティブなニュースが乏しかったことから、低い状態が続いていました。しかし、複数の前向きな政策が打ち出され、経済状況が引き続き改善していることから、香港・中国株に対する建設的な見方が可能となっています。
中国人民銀行が金融政策においてハト派的な立場を維持し、企業のための十分な国内流動性を確保すると予想しています。しかし、銀行預金準備率(RRR)やローンプライムレート(LPR)のさらなる引き下げの可能性に加え、政府は財政政策により重点を置くと思われることから、企業や消費者の信頼感を支えるための支出が増加する可能性があります。
国内消費は改善傾向にあり、旧正月の連休における一人当たり消費額および旅客輸送は、2019年を上回りました。第1四半期には、特に家庭用耐久消費財の国内消費支出を刺激することを目的とした消費下取りプログラムも導入されました。改定されたものの限定的な規模の「シャンティタウン」改革が開始される可能性も、より広範な経済活動を促進すると思われます。
米国では労働市場が逼迫する中インフレが緩やかになり、欧州経済は緩やかに回復し、日本では国内賃金が上昇するなど、先進国市場における微かな改善の兆しは中国の堅調な需要につながり、輸出主導型企業に恩恵をもたらすと見られます。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げに転じる可能性が高いことも、香港・中国市場を含む新興国株式の支援材料となると思われます。
魅力的なバリュエーションの投資機会
バリュエーション面では、香港・中国株は現在、歴史的に見てレンジの下限で取引されており、長期投資家にとっては魅力的な参入水準だと思われます。経済が徐々に正常化するにつれ、ボトムアップの観点から魅力的な価格と強固な構造的成長機会を見出しており、これは今後数ヶ月間の相対パフォーマンスにプラスに寄与する可能性があります。その方向性においては、持続可能な成長やサプライチェーンにおける自給自足、情報科学技術の革新、環境への配慮といった構造的トレンドが引き続き展開されると思われます。その結果、新たなインフラや国内消費、ヘルスケア、技術の現地化、持続可能性などを有するセクターやテーマに対する強固な見通しにつながると見ています。
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