不動産
金利上昇によりもたらされる欧州不動産における投資機会
不動産借り入れコストの急激な上昇は、不動産利回りの上昇を意味します。ベアリングスの不動産リサーチ・チームが、欧州不動産市場の投資機会に及ぼす影響について解説します。
経済
- ユーロ圏のインフレ率が2桁に達する中、欧州中央銀行(ECB)はインフレ抑制および物価安定の維持に向けた取り組み強化を続けています。
- 欧州における冬場の景気後退はもはや避けられない状況ですが、労働市場の軟化は相対的に堅調な状況からとなります。
- 金融引き締めを緩和するためには、インフレ率が確実に低下基調を辿る必要がありますが、2023年上期末までには生じる可能性があります。
不動産市場
- 不動産借り入れコストの急激な上昇は、不動産利回りの上昇を意味します。ファンダメンタルズが最も堅調な資産およびセクターにおいて、最も早く価格が調整されました。
- 金利水準および不動産利回りは、最終的にはインフレ期待が目標を上回る水準で落ち着くのか、目標に近づくかによって決定されると思料されます。
- 現在の不動産サイクルでは、銀行の監視が強化され、その結果、金融レバレッジの利用が減少しています。つまり、前回のサイクルで見られたよりも、より控えめな投資機会および価格調整が生じる可能性が高いと思料されます。
- 不動産賃貸市場は一般的に、高品質で近代的なスペースが不足していることが特徴です。これは、金融危機後に当セクターへの銀行融資が制限された結果によるものです。
- この近代的スペースの慢性的な供給不足は、サステナビリティに関する規制の高まりによってさらに深刻化し、設備の陳腐化のペースが速まっています。中長期的な賃料の見通しは、少なくともテナント市場のトップエンド向けは、引続き非常に良好です。
- 優れたリスク調整後リターンを追求する投資家にとって、欧州不動産デットにはますます魅力的な投資機会が存在しています。
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