不動産
小売りセクターのリバウンドは一巡したのか?
2021年第3四半期、欧州における不動産投資全体は新型コロナウイルス感染拡大前の水準まで回復しました。ベアリングスの不動産投資チームが解説します。
経済
- 高頻度のビジネス調査は、供給面での問題が活動に影響を及ぼし、軟調な結果となりました。
- 持続するボトルネックとエネルギー価格の上昇により、インフレ率は予想以上に上昇していますが、こうした圧力は収まると考えています。
- 量的金融緩和政策の早期巻き戻しのリスクは高まっていますが、オックスフォード・エコノミクスは、2025年まで政策金利が維持されるとの見通しを維持しています。
不動産市場
- 商業用不動産への投資額は、パンデミック前の水準まで回復したものと見られます。
- 住宅や物流の取引量が増加したものの、オフィスは依然として最も取引されたセクターとなっています。
- プライムイールドの傾向は、長期的な構造的要因に沿ったものとなっています。産業セクターやeコマースに耐性があるスーパーマーケットの利回りは縮小し、プライムオフィスの利回りは一部の地域でわずかに低下し、ほとんどの小売セクターの利回りは軟調な推移が続いています。
- オフィス空室率の上昇は鈍化しており、賃貸に向けた活動は復活し始めています。
- プライムの小売賃料は安定化の兆しを見せていますが、構造的な逆風は続いています。
- 産業セクターの入居者市場は記録を更新し続けています。
- 短期的な住宅価格の見通しは、金利と安定的な労働市場に依拠しています。