ベアリングスの「5つのインサイト 2024年秋」
ベアリングスの「5つのインサイト 2024年秋」について、先進国ソブリン債券チームの溜 学(たまる まなぶ)が解説します。
- 利下げ局面到来:FOMCが債券市場を後押し
- ニュージーランド、カナダが有望:落ち着く物価と冷え込む雇用
- 順イールドはポジティブ:財政拡張には警鐘
- 日本化する中国:世界を悩ますデフレ輸出
- したたかな日銀:金利も為替も慎重に正常化
米連邦準備制度理事会(FRB)は8月のジャクソンホール会合で予告した通り、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利下げを決定いたしました。今後の政策の焦点はインフレから雇用にシフトし、FRBは景気に中立な金利水準にまで利下げを実行し、米国景気をソフトランディングさせることに邁進していくと見られます。また、域内の需要の弱さに苦しむ欧州中央銀行(ECB)は6月の利下げに続き、9月にも追加利下げを断行、FRBに先んじて利下げ局面に入っています。
中国では、不動産業の不振に端を発する内需の不振が深刻化しており、内需の脆弱さを輸出で賄おうとする政策が世界経済に与える影響が懸念されます。一方、日本は世界の主要中央銀行が利下げに転じていく中、7月に追加の利上げを実行し、市場を驚かせました。市場とのコミュニケーションの難しさを実感した日本銀行は、市場との丁寧な対話を重ね、追加の利上げの機会を慎重に探るものと見られます。
2024年秋のベアリングスの5つのインサイトでは、米国が利下げに転じたことが世界の債券市場に与える影響を考察しつつ、各国市場への影響および今後の展開を展望し、グローバル債券投資戦略の5つの柱をお示しいたします。