2024年9月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2024年9月は、米国、ユーロ圏、豪州等が景気後退局面に後戻りしました。米国では製造業PMI、ユーロ圏ではZEW景況感期待指数と日本からの工作機械受注、豪州では豪州産業グループ(AIG)の産業指数の悪化がそれぞれ局面変化の主な要因となりました。米国と豪州では金融引締めが長期化しており、金利感応度が比較的高い製造業を中心に、企業活動へ着実に重しとなっていると思われます。ユーロ圏では欧州中央銀行(ECB)が追加利下げに慎重な姿勢を取り続けていることが企業や消費者のマインドを再び冷やしています。各国でインフレの減速が進む中、中央銀行が景気の腰折れを回避するために、どれほどのペースで利下げを実施するか注目されます。