2023年9月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2023年9月は、米国が再び景気後退局面へと後戻りしました。ソフトランディング期待が高まる米国においても、製造業関連の経済指標は芳しくなく、低調な製造業PMIや日本からの米国向け工作機械受注が減少し続けていること等がマイナスに作用しました。中国が景気減速局面へと移り、半年ぶりに景気の下り坂に位置しました。ここ数か月はゼロコロナ政策解除を受けた経済再開の動きが優勢で回復・拡大局面入りと判断されていましたが、長続きはせず、早くも中国景気が息切れしていることが景気循環図から窺えます。欧州は全般的に景気後退局面にあります。9月に大幅利下げに踏み切り、市場にサプライズをもたらしたポーランドですが、弊社の景気循環図では景気後退の動きを加速させており、中央銀行の判断も正当化できるものと見られます。