2024年8月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2024年8月は、全体的に下方にシフトする国が多く見られました。米国はS&P製造業PMIが7ヶ月ぶりに好不況の境目となる50を割り込んだことを主な要因として、景気拡大局面から景気回復局面へ後戻りしました。PMIの項目別では新規受注が3ヶ月ぶりに減少したほか、雇用の増加ペースも鈍化しました。回答した企業によると、市場需要は全般的に鈍化し、新規プロジェクトに消極的な顧客が多いとのことです。また、今年3月以来ずっと景気拡大局面にあったメキシコは、景気後退局面へと移りました。同様にS&P製造業PMIが10ヶ月ぶりに50を下回り、製造業の経営状況に悪化の兆しが生じています。米大統領選挙でトランプ氏が当選すれば、両国の関係悪化がメキシコ経済に打撃を及ぼすと考えられ、その行方も注目されます。