2025年4月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2025年4月は、米国が景気回復局面から景気後退局面へと移り、景気の悪化が示唆されました。製造業PMIと消費者信頼感の悪化が主な要因です。相互関税の発表前から、政策不透明感により、企業や消費者のセンチメントは悪化していました。今後はハードデータで経済の減速が確認されるかが焦点となります。年初には、米国経済のみが飛び抜けて堅調な「米国例外主義」がマーケットで浸透していましたが、現在の景気循環図では貿易戦争を仕掛けた米国自身と主たるターゲットとされてきたカナダがともに景気後退局面に位置付けられており、皮肉な形となっています。他には中央銀行が利下げサイクルの終了を示唆したスウェーデンが景気拡大局面から景気減速局面へと悪化、根強いインフレを背景に中央銀行が利下げ開始を見送ったノルウェーが景気減速局面から景気拡大局面へと改善しました。