不動産
リテール・セクターの投資ギャップを住宅セクターは埋められるか?
不動産の投資家およびその貸し手は、リスクを抑制し、不動産セクターのエクスポージャーおよび資産の質に対し非常に選別的となっています。これらのトレンドが2021年以降の投資機会に及ぼす影響ついて、ベアリングスの不動産投資チームが考察します。
経済
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下COVID)パンデミック後の欧州経済の回復は、主にワクチン接種のペースと経済的エクスポージャーを反映して、まちまちなものとなると考えています。例えば、観光業に依存している国は、現在実施されている渡航制限の影響を受けやすい一方で、製造業由来の国、特にデジタル対応が進んでいる国は、早期に回復する可能性が高いと考えています。
- 非常に緩和的な金融政策と財政刺激策は、パンデミックの影響が最も深刻な国に対する欧州復興基金からの追加支援と合わせ、回復の持続を助けるものとなるでしょう。
不動産市場
- 今回のパンデミックは、産業セクターにはロックダウンによるeコマースの活性化を通じて、住宅セクターには大規模な経済支援プログラムを通じて、恩恵をもたらしました。これらのセクターは、COVID以前から既に構造的に優位な状況にありました。
- オフィス・セクターには不確実性が存在しますが、企業は、従業員がオフィスに戻る前に、拠点縮小計画を撤回しています。リテール・セクターは、長期にわたるロックダウンや規制により、COVID以前の構造的な課題が深刻化しています。
- 不動産投資家とその貸し手は、リスクを引き下げ、不動産セクターのエクスポージャーと資産の質について非常に選択的となっています。2021年以降、セクターの価格設定の見通しは、このような傾向に左右されることになるでしょう。