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2024年9月 ベアリングス・グローバル・マクロシナリオ

2024年9月 – 6 分 レポートを読む

ベアリングス・ジャパンでは、世界経済の中長期的な景気循環や構造変化を捉え、今後1年から1年半程度の時間軸で想定されるいくつかの経済シナリオを洗い出し、運用戦略の点検を複眼的な視野から行っております。今回、マクロシナリオの見直しを行いましたので、以下の通りご案内いたします。

1.  2024年9月時点のベアリングス・グローバル・マクロシナリオと、今回のシナリオ策定の着眼点

今回は従来の4つのシナリオである「急降下」「ソフトランディング」「インフレ時代突入」「分断化進行」を維持しました。

9月に入り、米国が利下げに転じました。物価の目標の達成に自信を深め、雇用最大化に政策の焦点を移し、引き締め過ぎのリスクの軽減による経済の軟着陸(=ソフトランディング)に向けた態勢に入った模様です。もっとも、これまでの累積的な金融引き締めが中央銀行の意図を超えた効果を発揮し、信用収縮と需要消失にまで至れば、ソフトランディングの軌道を外れ、経済の急減速を招く「急降下」シナリオが実現する可能性には留意が必要です。中央銀行が過度な引き締めを状態を軽減しつつ、雇用市場の減速や需要の減退によってインフレ懸念が鎮静化するとともに、景気の腰折れが回避できれば、景気の「ソフトランディング」の達成が可能になると見ています。一方、今秋の米大統領選挙で誰が勝者になったとしても、家計や企業に対する政府サポートや産業政策の拡大によって需要が刺激され、インフレが再燃するリスクは依然として残ります。このため、物価が高止まりする「インフレ時代突入」の可能性も念頭に置く必要があると考えます。また、米大統領選挙後は保護主義政策の動きが過熱し、米中の対立構造が一段と深刻化するリスクも抱えています。こうした二大経済大国の姿勢は、世界経済の分断化、二極化の流れを助長し、「分断化進行」の実現性を引き続き高めると見ています。

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溜 学(たまる まなぶ)、CFA

先進国ソブリン債券チーム、リード・ポートフォリオ・マネジャー

堀川  一賢

先進国ソブリン債券チーム、ポートフォリオ・マネジャー

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