2023年12月 ベアリングス・グローバル・マクロシナリオ
ベアリングス・ジャパンでは、世界経済の中長期的な景気循環や構造変化を捉え、今後1年から1年半程度の時間軸で想定されるいくつかの経済シナリオを洗い出し、運用戦略の点検を複眼的な視野から行っております。今後のマクロシナリオにつきまして以下の通りとしましたので、ご案内申し上げます。
1. 2023年12月時点のベアリングス・グローバル・マクロシナリオと、今回のシナリオ策定の着眼点
今回は従来の4つのシナリオである急減速、ソフトランディング、インフレ時代突入、日本化再来を維持しました。足元では中国や欧州の景気減速に加えて、独り勝ちの様相を呈していた米国においても景気減速感が強まりつつあります。遅れていた高水準の政策金利の効果が実体経済に影響を及ぼし始めており、景気後退を招く急減速のシナリオの蓋然性は徐々に高まりつつあります。また、緩やかに景気が減速する中でインフレ懸念が鎮静化し、中央銀行が引き締め過ぎのリスクを上手く軽減できれば、景気後退を免れてソフトランディングを達成することも可能であると考えます。一方で、物価の伸び率は鈍化しているものの、構造的な変化によって、物価が目標水準に戻り切らないリスクは引き続き残っており、インフレ時代突入のシナリオも念頭に置く必要があると思われます。そして、中央銀行によるインフレ退治の成功とともに再び世界経済が長期停滞に陥る日本化再来についても、急減速の後に生じるシナリオとして維持しました。