2024年11月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
弊社の示す世界景気循環図では、2024年11月も米国とユーロ圏は景気後退局面に留まっています。昨年までの急速な金融引き締めが依然として実体経済の抑制効果として働いていると見られます。経済が過度に委縮することを警戒し、各国中銀は金利水準の調整を図り、ユーロ圏では10月、米国では11月にそれぞれ追加利下げが実施されました。各国の利下げが続く状況にも関わらず、市場の関心は米大統領選挙に移っており、トランプ、ハリスの両候補ともインフレ的な政策を志向していることを懸念し、長期金利は上昇しました。米国の隣国であるカナダでは10月に大幅な0.5%の利下げが実施され、先々の金利低下見通しが製造業PMIの改善に貢献したことから、景気拡大局面へと進みました。一方、中銀が年内の政策金利据え置きを示唆したノルウェー、0.5%の利上げを発表したブラジルは景気拡大局面から景気減速局面へと進みました。