2024年12月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
今月は経済指標の持ち直しにより、全般的に水準を上げた国が目立ちました。米国では景気先行指数や製造業PMIの改善により、景気後退局面から景気減速局面へとシフトしました。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に0.5%の大幅利下げを実施し、利下げ局面へ転換した際に懸念された労働市場や景気は想定されたほどは悪化せず、FRB高官は利下げペースを減速させる考えを示しています。また中国では金融緩和や経済対策が打たれており、景気回復期待を背景に回復局面から拡大局面へと前進しました。一方、日本は製造業PMIが3ヶ月連続で低下したこともあり、景気回復局面から景気後退局面へと後戻りしました。日銀は追加利上げのタイミングについて、経済データがオントラック(想定通り)に推移しているという意味では近づいている、としており、今後もその想定通りの動きを持続できるか注目されます。