パブリック債券

ベアリングスの「5つのインサイト 2025年春」

2025年3月 – 3 分 レポートを読む

ベアリングスの「5つのインサイト 2025年春」について、先進国ソブリン債券チームの溜 学(たまる まなぶ)が解説します。

  1. 実質利回りの魅力高まる:不確実な世界の確実な収益
  2. NZを最有望視:金融緩和打ち止めはNG
  3. 政策転換を警戒:デフレ症状の軽快
  4. スウェーデンクローナを買う:中立からの転換
  5. 日銀は利上げ軌道を緩行:緩和縮小を粛々と敢行

2025年第1四半期の米国株式市場は、波乱の展開となりました。2月の高値から株式市場の調整局面入りを示唆する1割超の下落に転じ、先行きの不透明感が高まっています。背景にはトランプ米政権がもたらす不確実性が実体経済へ与える負の影響に対する懸念があります。米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを休止し、先行きを見守る姿勢を続けています。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で公表された経済見通しは、物価見通しが上方修正される一方、成長率の見通しが下方修正され、スタグフレーションへの懸念を滲ませています。

欧州では、トランプ米政権の欧州域内の安全保障への関与の低下に対する懸念が強まりました。ドイツは財政支出の拡大に舵を切り、独自の財政支出抑制ルールを棚上げし、積極財政への転換を議会で可決しました。ユーロ圏の中核国として緊縮財政のルールを各国に要求してきたドイツの政策転換は、域内の財政拡張への道を開くものとして債券市場の警戒姿勢を強め、欧州中央銀行(ECB)の連続利下げにも関わらず、長期金利は急上昇する局面がありました。

中国では、不動産価格の低迷が続くものの政府による消費支援策が続けられ、適度に緩和的な金融政策と共に景気の底割れを回避する政策運営が続いています。5%の成長目標達成への道筋が見えてくるか注視していきたいと考えています。

日本では、人手不足を背景に今年も高い水準の賃上げが実現されそうな気配です。ただし、食品価格上昇や円安基調の定着により、賃金が物価上昇の勢いに追いつくには時間がかかりそうな情勢です。購入頻度の高い食品価格の上昇が消費者のインフレ期待に影響を及ぼすと見ている日銀は、追加利上げの機会を慎重に探るものと見られます。海外発の不確実性は高いものの、経済環境が見通し通りに推移していけば中立金利に向けて緩和度合いを調整できるという日銀の利上げ正当化理論が妥当性を維持できるか注目です。

2025年春のベアリングスの5つのインサイトでは、世界景気の先行きの不確実性が極めて高い状況下での有効な投資戦略を洗い出し、今後のグローバル債券投資戦略の5つの柱をお示ししたいと思います。

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溜 学(たまる まなぶ)、CFA

先進国ソブリン債券チーム、リード・ポートフォリオ・マネジャー

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