欧州不動産:好調に推移?
欧州経済の低迷とさらなる金融緩和の見通しを背景に、債券の特性を有するコア不動産は、その他(バリューアッド等)と比較し有利な状況にあります。
経済
- 実質賃金の伸びと堅調な労働市場に対する期待が先行する中、欧州経済のモメンタムは依然として不明瞭となっています。
- 金融市場の関心は現在、ディスインフレと、経済成長の下支えとなる追加の金融緩和見通しに移行しています。
- 現在のマクロ経済は、バリューアッドやオポチュニスティック等よりもコア不動産に有利な状況となっています。
不動産市場
- 不動産サイクルは回復局面に入りました。債券と同等の特性を有するコア不動産のキャッシュフローは、資金調達コストの低下と市場の負債調達ギャップの縮小により早期に恩恵を受けると思われます。
- 年内の投資取引額は、融資可能な機会が減少したこともあり、緩やかな回復にとどまると予想されます。
- 中心業務地区(CBD)に位置する最高品質のオフィスや物流施設の賃料は引き続き上昇すると見られます。
- 住宅賃料の伸びは広範囲に及ぶものの、規制リスクは高くなっています。
- 小売りは若干の賃料収入の増加が見込まれますが、それは相対的に保守的な水準となっていた物件の改定などにとどまりそうです。