2025年3月のベアリングス世界景気循環図
投資判断の材料の1つであるベアリングス世界景気循環図について、ベアリングス・ジャパンの先進国ソブリン債券チームが解説します。
2025年3月は、ユーロ圏とポーランドがともに景気減速局面から景気拡大局面へと移り、景気の改善が示唆されました。どちらも製造業PMIが2ヶ月続けて改善し、直近のトレンドを上回っています。欧州では依然としてハードデータの弱さが続いていますが、製造業PMIや欧州経済研究センター(ZEW)景気期待指数などのソフトデータで改善が見られ始めています。また、データにはまだ表れていませんが、緊縮財政を貫いてきたドイツで財政拡張策が二大政党で合意され、景気が刺激されるとの期待が急速に高まっています。今後公表されるソフトデータがさらに改善する可能性があります。一方、カナダが景気回復局面から景気後退局面へと後戻りしました。カナダは大幅な利下げにより景気のボトムを脱したかに思われましたが、トランプ米大統領の不透明な関税政策の影響を受け、製造業PMIやCFIBビジネス・バロメーターが悪化しました。