ベアリングスの「5つのインサイト 2023年春」
ベアリングスの「5つのインサイト 2023年春」について、先進国ソブリン債券チームの溜 学(たまる まなぶ)が解説します。
米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利を5%に引き上げることを市場が織り込み始めた矢先に、米欧で金融システム不安を惹起するイベントが起こりました。FRBは景気減速への懸念を認識しつつも、引き締めが足りずにインフレ抑制に失敗するケースと、引き締め過ぎて景気後退に至るリスクのトレードオフを念頭に政策運営を行ってきましたが、金融システム不安への対処という新たな難題に直面し始めました。
新興国では、中国のゼロコロナ政策解除後の経済活動再開が景気の下支えとなることが予想されますが、習一強体制への警戒もあり、国内不動産業の不振や米中対立といった内憂外患が、国営企業中心の経済発展に影響を及ぼす懸念が根強く残存します。
2023年春のベアリングスの5つのインサイトでは、大きな転換点を迎えつつある先進国の金融政策や、ポストコロナの世界経済の構造変化が市場へ及ぼす影響を展望し、グローバル債券投資戦略の5つの柱をお示しします。