ベアリングスの「5つのインサイト 2023年秋」
ベアリングスの「5つのインサイト 2023年秋」について、先進国ソブリン債券チームの溜 学(たまる まなぶ)が解説します。
米連邦準備制度理事会(FRB)は、2023年9月の政策決定会合で政策金利の据え置きを決めました。年内にもう一度利上げがあるかどうかはデータ次第であるとしながらも、現状の金利は景気を抑制する水準に達しているとの判断を示し、今後は、どこまで追加利上げするのかよりも、現在の抑制的な高金利をいつまで維持するのかが焦点になってくると見られます。欧州中央銀行(ECB)も、政策金利の引上げよりもその維持の方が重要度が高いとの見方を示唆し、米欧いずれも中央銀行の政策運営の局面変化が印象付けられる状況に至っています。
一部の新興国では、チリやポーランドが利下げに踏み切り、先進国よりも早く金融緩和局面に移行し始めました。中国では、不動産業の不振がかつての日本のバブル崩壊を彷彿とさせ、中国依存の強いドイツの製造業の不振にまで影響が及んでいます。
2023年秋のベアリングスの5つのインサイトでは、これまでの積極的な連続利上げから持久戦に移行した先進国の金融政策や、米中対立が招くグローバル経済の構造変化などが市場へ及ぼす影響を展望し、グローバル債券投資戦略の5つの柱をお示しいたします。